昔ながらの「しょっぱい梅干し(梅漬け)」を作る理由と作り方!

近頃のスーパーで売られている梅干しは、ほとんどが塩分8%や12%といった塩分が少ない梅干しが販売されています。

平成生まれの若い方は、これが普通と思うかもしれませんが、昭和生まれの私からすると、塩分の少ない梅干しは、ちょっと物足りないと感じます。

昔ながらの梅干しは、塩分が20%以上あるのは普通で、塩っぱい(しょっぱい)です。辛すぎて「塩からい」と表現したほうがいいような梅干しもありました。また、梅酢の酸味も強く、酸っぱい(すっぱい)です。

そんな、塩っぱくて、酸っぱい梅干しを作ろうと思うのには理由があります。

★なぜ 私が自家製の梅干しを作るのか?

一言で言うと、「お腹の調子が悪い時に酸味の強い梅干しを食べると治まる」という体験があったからです。

〇体験談

子供の頃、休日に腹痛をおこした時に、自宅に腹痛の薬を切らしていた事がありました。

薬がなかったので、母親は、自宅で作っていた梅干しと梅酢を薄めたコップ1杯の水を、私に飲ませました。

「こんなもので腹痛が治るのか?」と信用してなかったのですが、なんと、数時間後に腹痛が治まったのです。

それ以来、「ちょっとお腹の調子が悪いかな?」、「今食べたおかずの味はちょっと変じゃなかったかな?]と言う時は、梅干しを食べるようにしています。

やっぱり、食事にお茶と梅干しは欠かせないですよね。

〇市販の梅干し

梅干しを作ったことがある方ならわかると思うのですが、塩分8%や12%で梅を漬けても、梅酢がなかなか上がってきません。

市販されている塩分の少ない梅干しは、一旦、塩分20%以上で漬けた後に水につけて塩分濃度を下げているそうです。

これだと、塩分だけでなく、酸味(クエン酸)も少なくなり、梅酢の殺菌効果も減少しているのではないかと思いませんか?

やっぱり、昔ながらのしょっぱい梅干しが食事にはいいですよね!

★梅漬け(干さない梅干し)の作り方

ここで紹介するのは、梅漬け(干さない梅干し)の作り方です。

梅干しは、通常、梅雨明けに晴天の日を選び、天日干し(3日程度)するのですが、マンションだと方角によってはベランダ(バルコニ)に太陽の日差しが一日中当たる場所を確保することが困難ですよね。

ですので、天日干しする工程を省略した梅漬けの作り方を紹介します。

天日干しの工程を省いている分、梅干しよりも梅漬けのほうが作り方が簡単です。

■仕込み時期

6月中旬から7月上旬頃。この頃になるとスーパーで梅(完熟梅)の果実が販売されます。

■材料

普通サイズの梅を使う場合
  • 完熟梅:中粒から大粒を2kg
  • 粗塩:400g
  • 赤シソ:1kg
  • 容器:4Lから5L程度のガラスの瓶
小梅を使う場合
  • 完熟梅:小粒を1kg
  • 粗塩:200g
  • 赤シソ:500g
  • 容器:3Lから4L程度のガラスの瓶
その他の道具
  • 重石:500gから1kg程度
  • 落とし蓋(ふた)
  • 爪楊枝
  • ボウル
メモ
  • 必ず完熟梅を購入してください。カリカリ梅を作る場合は、完熟していない梅を使用してください。
  • 梅の量を増やす場合、それに合わせて粗塩、赤シソ、容器、重石の量も増やしてください。
  • 容器は重石を載せる高さを考えて十分に余裕のある容器を使用してください。
  • 重石を用意できない場合は、ビニール袋やペットボトルに水を入れたものを代用できます。ただし、水気や水漏れには注意が必要です。
  • 一般的に重石は梅の量(重さ)の1~1.5倍程度と言われています。ですが経験上、塩分20%以上で漬ける場合、半分(0.5倍)程度の重さでも問題なく梅酢が上がることを確認できてます。
  • 塩の量は完熟梅を購入した時のビニール袋に記載されている重さを基準にするのではなく、実際の梅の重さを計量してから塩分20%になるように粗塩を計量してください。そうしないと塩分30%以上あるような塩っ辛い梅干しができる可能性があります。

梅酒を作る時の青梅は問題ないのですが、梅干しを作る場合は、スーパーで販売されている完熟梅は、個々の梅の熟度にバラつきがあるので、農家から直接配送しているような通販を利用して、完熟梅を購入した方がいいかも知れません。

■作り方

1.容器の洗浄

漬け込み作業をする前にビンを綺麗にしておく。

ビンを綺麗に洗って熱湯でビンの中を消毒します。その後、完全に乾かします。

汚れたビンを使用したり、水気が残っているとカビの原因になります。

2.梅の水洗い

梅をボウルに入れて水洗いします。

3.梅のヘタを取る

水分を十分拭き取って、爪楊枝で梅のヘタを取る。その後、30分程度乾かす。

4.容器に梅と塩を入れる

梅に塩を絡めてビンの底に敷き詰める。敷き詰めた梅の上に少し塩をふりかける。さらに、その上から2段目の梅を敷き詰める。これを繰り返して、残った塩を上から全て載せる。

5.重石を載せる

容器の中に落とし蓋(ふた)を入れて、その上から重石を載せる。

重石を用意できない場合は、ビニール袋やペットボトルに水を入れたもので代用します。

6.梅酢が上がるまで待ちます

1日から3日程度で梅が浸かる程度まで梅酢が上がってきます。そのまま1週間程度待ちます。

[6時間程度経過した状態]

[3日程度経過した状態]

[1週間経過した状態]

7.赤紫蘇を入れる

赤紫蘇を買ってきて、塩もみでアクを取る作業からやる方もいますが、面倒なので、いつもアク取りを済ませた紫蘇を買っています。

暗室でこのまま保管する。

■食べ頃

漬け込んでから1ヶ月から2ヶ月たてば赤く色づいた梅漬けが出来上がります。

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