ギバーはもっと「自分の為に時間と労力を使うべきだ!」

■ギバーとテイカー、それとマッチャー

ギブ・アンド・テイク(Give and Take)という言葉はよく聞きますが、ギバー(Taker)とテイカー(Giver)という言葉を聞いた事がありますか?

世の中には、ギバー(与える人)、テイカー(奪う人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)の3つのタイプの人達が存在すると言われています。

ギバータイプの人

ギバータイプ(Giver type)の人は、「誰かの為に惜しみなく何かをする人」の事をいいます。

よく言えば「いい人」です。しかし、ネガティブな言い方をすると「自己犠牲を伴って誰かの為に何かをしてあげる人/してしまう人」、「頼まれたら嫌と言えないお人よしな性格の人」とも言えます。

別の言い方をすると、ギバータイプの人は「他者の為に自分を犠牲にして時間や労力を使う人」という事になります。

テイカータイプの人

テイカータイプ(Taker type)の人は、「他者よりも自分の利益を優先させる人」の事を言います。

よく言えば「損得勘定のできる人」、悪く言うと「自分で調べずに何でも人に聞く人」、「自分の得にならない事は人にやらせようとする人」とも言えます。

別の言い方をすると、テイカータイプの人は「自分の為に他者を犠牲にして時間や労力を使わせる人」という事になります。

マッチャータイプの人

マッチャータイプ(Matcher type)の人は「与える事と受け取る事(Giver & Take)のバランスをとる人」の事を言います。

マッチャータイプの人は「公平・中立」の考えで行動します。

何も与えられなければ与えないし、何かをしてもらうと貸を返そうとします。逆に、自分が与える代わりに他者に見返りを求めます。マッチャータイプの人は、このようにバランスを取ろうとします。

■どのタイプがいいですか?

バランスの取れたマッチャータイプの人が一番成功すると思いきや、著者:アダム・グラントの「GIVE & TAKE」によると一番成功する人はギバータイプの人だそうです。逆に成功から遠い位置にいる人もギバータイプの人になるそうです。

これはどういうことか?

ギバータイプの人は「他者の為に自分を犠牲にして時間や労力を使う人」です。従って一番損をする人のように思えます。

実はギバータイプには2種類あり、自己利益への関心が低いギバータイプの人と自己利益への関心が高いギバータイプに分けられるそうです。

自己利益への関心が低いギバータイプの事を「自己犠牲型」のギバーといい、自分の利益は考えずに他者に何かを与えようとします。自己犠牲型のギバーが最も成功から遠い位置にいる人です。

自己利益への関心が高いギバータイプの事を「他者思考型」のギバーといい、他者利益だけでなく自己利益にも関心があります。他者に何かを与える事で自分にも利益をもたらすと考えて行動します。「他者思考型」のギバーが最も成功に近い位置にいる人です。

ここから先は個人的な見解です。

『他者思考型のギバーが最も成功に近い位置にいる人』という事に一定の理解は出来ますが、現実社会において実際にはテイカータイプの人が成功しているのでは?もしくは相手によってギバーとテイカーを使い分けている人が成功しているのは?と思う事があります。

以下に例を挙げてみました。

テイカータイプの上司や先輩

自分の周辺を見ていると、実はテイカータイプの上司や先輩が一番成功しているのではないか?と思う事があります。

ここでいう上司とは、主任、グループリーダー、課長などの役職がついている方の事です。

くり返しますが、テイカータイプの人は、「他者よりも自分の利益を優先させる人」の事を言います。

テイカータイプの上司や先輩は何でも部下や後輩にやらせます。部下や後輩が集めた情報をまとめるなど、本来自分でやるべき仕事も部下や後輩にやらぜます。自分はハンコを押すだけで、さらに上の上司に報告します。報告内容に間違いがあれば部下や後輩に責任を押し付けます。

テイカータイプの上司や先輩はテイカータイプの部下や後輩には冷たい態度をします。「こいつは自分の役に立たないぞ!」と思えば切り捨てます。

ギバータイプの部下や後輩はテイカータイプの上司に言っても無駄だとわかっているので自分の事は自分でやり、さらにテイカータイプの上司の仕事も熟します。

もっとも駄目な人は自分を犠牲にして上司や先輩、部下や後輩に関係なく誰にも何かをやってしまう人です。ボロ雑巾のように使いつくされたら肩たたきをされるかも知れませんね。

自分の周りでは、部下や後輩に対してはテイカーになり、上司には「他者思考型」のギバーになる人がもっとも成功しているように思えます。上司に同調したり上司が何か困っている時には特に積極的に動こうとします。

こうやって上司にはいい顔をします。テイカータイプの上司もこういう部下(自分にはよくしてくれる部下)を自分の配下に置こうとします。

こういう人がエスカレーター式に役職が上がっていきます。

そしていつの間にか無能な管理職しかいない企業や部署が出来上がります。

質問者と回答者

Yahoo!知恵袋のMy知恵袋のページには質問の成績と回答の成績があります。自分を含め他者のMy知恵袋のページを確認するとギバータイプの人とテイカータイプの人で回答者になるか質問者になるか分かれているように感じます。

カテゴリにもよりますが、よく質問する利用者は質問ばかりして回答はほとんどしません。逆によく回答している利用者はほとんど質問をしません。

回答者は質問の回答をする為に多少は調べたりするので時間と労力を使っています。

質問ばかりして回答をほとんどしない利用者は、自分の利益を優先して回答者の時間や労力を気にしていません。このような利用者の事を私はテイカータイプの質問者と呼んでいます。テイカータイプの質問者は当たり前にように先頭に【至急】と書いたりします。

逆に回答ばかりして質問をほとんどしない利用者は質問者の為に自分の時間や労力を惜しみなく使っています。このような利用者の事を私はギバータイプの回答者と呼んでいます。

下の画像は質問の成績と回答の成績です。左がギバータイプで回答しかしていません。右はテイカータイプで殆どが質問です。

Yahoo!知恵袋 質問の成績と回答の成績
Yahoo!知恵袋 質問の成績と回答の成績

私は「ギバータイプの回答者はもっと自分の為に時間を使うべきだ!」と思います。

■最後に

テイカーからギバーまたはギバーからテイカーに自分を変えるのは難しいと思いますが、「自己犠牲型」のギバーと「他者思考型」のギバーは紙一重で、自分の考え方を少し変える事で「他者思考型」のギバーになる事は十分可能ではないかと思います。

「自己犠牲型」のギバータイプの人は自分の事より他者を助ける事を優先してしまいがちです。しかし、他者を助ける事は必ず自分がやらないといけないという事はありません。他者が他者を助ける事も可能です。

従って、直ぐに助けるのではなく、しばらく様子を見て、誰も助けようとしない時は助けてもよいが、まずは自分の為に時間や労力を使う事を優先するように心がけたほうがいいと思います。

そうすることで成功者に化けるかもしれませんね。

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